お父さんなんか大嫌いだ

「○○、帰ったのか。」

「・・・。」

何も喋らない僕を見てお父さんは僕の頭を思いっきり叩いた。

「ちゃんと答えるまで叩き続けるからな。」

そう言って、お父さんは何度も何度も叩いた。僕は喋るにも喋れず、その場で泣くことしか出来なかった。

僕はお父さんが大嫌いだ。

「なんで俺の言った通りにやらない?お前は言うとおりに動けばいいんだよ!」

「ご飯はまだか?いつまで待たせれば気が済むんだー?」

家で響いてくるのはいつもお父さんの怒鳴り声ばかり。それだけじゃなく、お父さんはお母さんに対してもいつも怒っていました。

「こんな遅くになってから帰ってきやがって何してんだよ。さっさとご飯作れよ!」

「今日のご飯はスーパーで買ってきたものばっかりか。手抜き料理でいいなー!」

「○○のお父さんね、この前東京までお出かけに連れてってくれたの。」

「○○のお父さんはね、見たこともないおいしいお菓子を買ってきてくれたんだよ!」

保育園で聞こえてくるお父さんの話。他の家のお父さんが優しければ優しいほど、僕は針で刺されたように心が痛かった。

「○○くんのお父さんはどんな感じなの?」

突然○○ちゃんから声をかけられて僕はびっくりした。

「僕のお父さんは・・・」

「はい!お片付けの時間になりましたー!片付けしてくださーい!」

「あっ、あやか先生の声だ。」

そう言って、○○ちゃんは片付けに行ってしまった。

「・・・言えるわけないよ。だって、僕のお父さんは。」

最低最悪の僕のお父さん。お父さんの悪口を考えれば考えるほど僕は自分のことが嫌いになった。こんな家から、さっさと出ていきたいと思った。家なんかずっと帰りたくないと思った。